CentOSサーバの移行先OSについて考える

CentOSサーバの移行先OSについて考える

CentOS8のサポート終了

2020年末、BAでメイン使用していたCentOSの最新バージョンだったCentOS8が2021年末にサポート終了すると発表されました。

CentOS8のライフサイクル開始は2019年9月下旬。2年3ヶ月しかサポートされない結果となっています。CentOS8のサポートは本来2029年までサポート予定でした。CentOS projectはCentOS8を打ち切ってCentOS Streamに移行するとしています。

CentOSはRHELの安定版クローン。有償RHELの安定版としてリリースした機能をそのまま利用できました。CentOS StreamはRHELの開発ストリームのひとつ。CentOSとRHELの立ち位置が逆転した形となります。

このことから、CentOS Streamは本番環境として使用するには難のあるディストリビューションとなりました。とは言え有償のRed Hat Enterprise Linuxは一番安いライセンスでも11万前後スタートなります。

決して安いものではないですし、フリーを想定していたところから考えると、ちょっと二の足を踏んでしまいます。

ですのでここからはCentOSの移行先候補を見ていきたいと思います。

CentOSサーバの移行先は?

候補1 RockyLinux

https://rockylinux.org/ja/

CentOSプロジェクトの創設者が率いるRHELクローンのプロジェクトとなります。

RockyLinuxの公式サイトでは、「不具合も含めてRHELと100%の互換性を持つように設計されていること」「コミュニティ主導で開発されていること」などが明記されています。

企業主導ではないためオープンで中立的だと言えますが、誕生して間もないプロジェクトであることから開発やサポートの実績が乏しく、本当に以前のCentOSのような運営が続けられるのかという疑問が残ります。

候補2 AlmaLinux

https://almalinux.org/ja/

ホスティング事業者やデータセンター向けの有償Linuxディストリビューションである「CloudLinux OS」を提供しているCloudLinux .incによって開発されたOSです。

「CloudLinux OS」のノウハウを活用して「Project Lenix」という非営利のコミュニティを立ち上げました。「Project Lenix」に対しては、年間100万ドルの予算を投じる方針も明らかにしており、プロジェクトの資本面も盤石であることをアピールしています。

余談ですが、CloudLinuxはCentOS 8に対するアップデート/サポートサービスを2025年12月31日まで提供すると発表しています。価格は未発表ではあるものの、類似するCentOS 6延長サポートサービスを月額約500円~で行っており良心的な額になると予想されます。

候補3 OracleLinux

https://www.oracle.com/jp/linux/

Oracle社提供のディストリビューションでRHELをリビルドしたものとなります。

Red Hat Compatible KernelはRHELと完全に互換性を持つとされていて、Oracle製品を利用するためのチューニングが含まれています。AlmaLinuxやRocky Linuxとは異なりリリースしてから期間が経過しているため信頼性が高いOSとは言えますが、普及率が低いため世間的な情報が不足傾向にあります。

候補4 Ubuntu

https://www.ubuntulinux.jp/

Debian GNU/LinuxをベースとしたOSとなります。

海外でのプロダクション環境でトップシェアの実績があるため世間的な情報は豊富です。ただしDebian系のディストリビューションとなるため、RHELとの互換性はありません。

また、パッケージ管理や各種設定がCentOSと一部異なるため、CentOSからの移行を考えるとハードルが高い点がデメリットであると言えます。

候補5 Debian

https://www.debian.or.jp/

前述の通り、Ubuntuの派生ベースとなったディストリビューションです。

本家のこちらよりUbuntuの方が有名になってきてしまっています。ボランティアのコミュニティで成り立っていてバージョンアップ頻度や変化が比較的ゆるやかという特徴があり、安定したものを選択肢堅実な構成を好む傾向にあります。Ubuntu同様、CentOSからの移行先としてはハードルは高くなります。

総括~CentOSからの移行先としてはAlmaLinuxかなあ?

2021年10月現在、CentOSからの移行先としてはAlmaLinuxが一歩リードしているように思えます。

とは言ってもリリースからようやく半年が経過した新しいプロジェクトですので、今後どのように転ぶかは未知数となります。

CentOS8のサポートは2021年末を持って終了してしまいますがCentOS7のサポートは2024年06月末まで続くので、慌てて移行を進めるよりはしばらく様子を伺いつつ移行計画を立てていくのもいいのかもしれません。

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スーパーメンテナンス

CentOSは、CentOS ltd.の商標または登録商標です。
Linuxは、Linus Torvaldsの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
Ubuntuは、Canonical Ltd.の商標または登録商標です
Debian は Software in the Public Interest, Inc. の登録商標です。

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